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終わらない欧州のソブリンリスク

 世界の主要株価指数は9月半ばから10月初めにかけて安値を付けた。例えばドイツ、イタリア、スペインがそろって安値を付けたのは9月12日で、フランスは同22日、日本と韓国は同26日が安値になっている。米ダウ工業株30種平均が安値を付けたのは10月3日だ。この9~10月の安値と8月末を比較すると、各国の下落率はおおむね1割程度となる。
 直近の戻りで株価指数が、下げ相場の下落分をどの程度取り戻したかを計算したのが「復元率」だ。下げのきつかったイタリア、ドイツはすでに復元率100%超え、つまり8月末水準の回復を達成済み。米国もほぼ回復しており、海外投資家の換金売りに苦しんだブラジルと韓国も、通貨安からの戻りは低いが、株価は7~8割回復している。景気減速懸念が台頭してきた中国の株価低迷が目立ち、日本株の戻りもやや鈍い。
 ほんの2~3週間前までは、ギリシャの債務不履行などをきっかけに欧州銀がリーマン型の「突然死」に見舞われ、08~09年のように金融危機が実体経済の急激な落ち込みを招くという恐怖感がマーケットを覆っていた。その後、フランス・ベルギー系の金融大手デクシアの救済劇や欧州首脳による銀行の資本増強構想などを転機に、株式市場は「危機回避」へとメーンシナリオを修正しつつある。
 もっとも、楽観論が支配的になったとは言い切れない。信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では依然、警戒モードが続いているからだ。
 欧州銀行の株価について、株価指数と同様に復元率を計算してみると、仏銀大手がやや低迷気味ではあるが、危機回避を織り込む傾向は変わらない。一方、目を引くのは、イタリアのウニクレディトやドイツ銀行など株価に比べてCDS保証料率の回復(低下)の鈍さ。保証料率の水準自体も、2~4%と異例の高さが続く銀行も少なくない。米銀が株価、CDSともに復元率が低めなのは、欧州不安がやや遅れて波及したタイムラグと、米当局による住宅ローン関連訴訟という独自要因の影響とみられる。
 銀行以上に気がかりなのは、欧州各国の国債、いわゆるソブリンCDSの動向だ。イタリアの保証料率は依然、4%を大きく超えており、ドイツもわずか半年前と比べて2倍強の水準で高止まりしている。公的資金注入など国内銀行の救済負担の重さが意識されるフランスの復元率は4割弱どまりで、ベルギーに至ってはほぼ最高値に張り付いた状態だ。
 イタリア、ベルギーなど銀行救済のコスト負担が重い国では、政府と銀行の信用悪化が同時進行するリスクが消えない」と警戒する。実際、イタリア国債10年物の利回りはここへきて再び5.8%台と2カ月ぶりの水準に切り上がってきており、フランス国債のドイツ国債との利回り格差(スプレッド)も上昇圧力がかかっている。クレジット市場と欧州国債市場の疑心暗鬼は当分晴れそうにない。
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