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マネーゲームに揺れる中国版ナスダック、創業板

 深セン証券取引所が昨年10月末に開業したベンチャー企業向け市場「創業板(中国版ナスダック)」。鳴り物入りで上場した第1陣のうちの3社が、相次いで大株主の元経営幹部らの株式売却を発表した。国有企業が国内経済を牛耳る中国経済で、IT(情報技術)、環境、新素材などベンチャー企業のふ化器として期待されているが、マネーゲームの舞台になりかねない危うさも、やはりはらんでいるようにみえる。
 「創業板は予定通りの方向に発展している」。中国証券監督管理委員会の尚福林主席は10月29日、広東省深セン市で開いた1周年記念式典で成果を強調した。
 創業板企業はIT(情報技術)や環境、新素材など新産業が主体で、当初のもくろみ通り。尚主席は同日、大学教授ら15人の諮問委員会を設立し、技術面での審査能力を高める方針を明らかにした。上場企業数は昨年10月30日の上場第1陣の28社から、1年間余りで137社まで拡大。市場規模は6200億元(約7兆5000億円)に膨らんだ。
 ただ一方で、創業板に“予想通り”の異変が起きている。発端は大株主の株式売却解禁だ。
 11月1日、昨年10月30日に上場した第1陣企業28社の株式のうち、大株主が保有する約12億株が売買解禁になった。売買解禁となる株式の時価総額は200億元(約2400億円)前後と巨額だ。
 大株主は経営に携わり続けるのであれば株式保有は続けるはず。だが、中国メディアによると、9月中旬までに創業板の30社の経営幹部のうち、既に50人強が辞任。「売却解禁と同時に保有株を手放す」(国内証券)との見方が強まっている。これに対し、深セン証取は5日までに急きょ、上場後6カ月以内に辞任した幹部は18カ月間、保有株を売却できない規則を導入した。
 そもそも創業板がベンチャー企業の資金調達先として役立っているのか。
 調達額だけをみると、答えはイエスだ。これまで上場した137社が創業板で調達した資金は約1000億元。個人投資家の創業板ブームを追い風に、当初の調達予定額を600億元強上回る盛況ぶり。銀行から融資を受けにくいベンチャー企業の資金繰りを支援する役割を、大いに果たした格好だ。
 だが、「予定を上回った調達資金は銀行預金として眠っている」(国内証券)のが現実だ。
 創業板企業の10年1~6月の純利益合計の増益率は前年同期比20%と上場企業全体(40%強)を大きく下回る。10年1~3月期決算では上場直後にもかかわらず、環境関連企業が最終赤字になったケースも出てきた。「個人をだまして高値で株を買わせ、企業幹部と証券会社が得をしていると批判されても仕方が無い」(外資系証券)との指摘もある。中国メディアによると、値動きが激しい創業板市場では「7割の個人投資家が損をしている」という。
 もっとも、11年から始まる次期5カ年計画では、新産業の育成政策が強化されることを好感し、創業板指数は9月下旬の900台前半から、足元では節目の1000を若干回復する水準まで上昇してきた。ビジネスモデル優先でお金を集めて、上場後に売り逃げ。米国や日本でも聞き慣れたストーリーだが、ベンチャー市場は将来の経済を担う企業も育成してきた。果たして中国版ナスダックの未来はどうなるだろうか。
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