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金融危機9.15の衝撃 なぜリーマンは救済されなかったのか

 米当局はなぜリーマンを救済しなかったのか(肩書は当時)。
 財務長官は2006年までゴールドマンを率いたポールソン。08年3月のベアー・スターンズ危機ではニューヨーク連銀総裁のティモシー・ガイトナーと連携し、公的支援の枠組みを急ごしらえして、JPモルガン・チェースによる救済買収を後押しした。
 ところが、リーマンはあっさりつぶしてしまった。15日未明のリーマンの破産申請から12時間後、ポールソンは「納税者のお金を使おうと思ったことは一度もない」と言い放つ。
 破綻させようとしたわけではない。米政府はニューヨーク連銀にウォール街のトップを集め、民間救済をあっせん。英バークレイズが最後まで残った。FRB融資など公的支援の一押しがあれば、破綻は防げた。
 ポールソンは「担保不足でFRB融資を受けられなかった」と後に明かしたが、救おうと思えば、救えた。ベアー危機の際、FRBは不良資産を担保に緊急融資を実施した。しかも、担保価値はベアーが評価した「言い値」だった。
 だが、ベアー危機から半年。経営改善を怠ったリーマンを救えば、安易な救済との批判を浴びかねない。大統領選を11月に控え、民主党のオバマ候補の支持率が急上昇。与党共和党のマケイン候補の足を引っ張る決断はしづらい。
 規律重視の破綻か、安全重視の救済か。ポールソンは賭けに出る。「市場は衝撃を吸収できるはずだ」と。リーマンの取引先はリスクの分かるプロの投資家や金融機関が大半。破綻しても決済上の影響は小さいとニューヨーク連銀も分析していたと金融当局者はいう。念には念を入れて米当局は14日日曜日の午後、特別市場を開き、破産法申請前にリーマンとの取引を完了するための場も設けた。
 「どこかで線を引かねばならなかった。リーマンをつぶす決断は正しかった」(ワシントン・ポスト)。ポールソンの決断を当初は世論も支持した。
 だが、市場はパニックに陥った。金融機関は自己防衛から資金を出し渋り、銀行間取引が101年ぶりに機能を停止。経済の心臓部である短期金融市場の急収縮を引き起こす。
 最大の誤算はAIGへの飛び火だった。リーマン破綻翌日に資金繰りの山を迎えていたAIGは、倒産寸前に追い込まれた。しかもAIGは、保険会社という表の顔とは別に巨大なヘッジファンドと化していた。AIG危機にウォール街と当局は七転八倒し、その津波は今も金融を揺さぶっている。
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