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英国経済、金融危機で激震 信用急収縮で国債・ポンド急落

 16年にわたって成長をおう歌してきた英国が金融危機の激震に揺れている。世界からマネーを集め自国経済の活性化につなげる「金融立国」路線が、急激な信用収縮で一転して裏目に出始めたからだ。銀行救済に伴う財政悪化懸念から英国債や英ポンドの相場は急落。サッチャー改革で復活を遂げた英国は壁に突き当たっている。
 「金融保護主義の恐れがある」。ブラウン英首相は国境を越える資金取引の急減に危機感をあらわにする。昨年秋以降、金融機関がリスクを恐れて外国への与信を抑制するのは世界共通の現象。だが首相が「保護主義」という表現でけん制するのは英国特有の事情がある。
 好況が続いた英国では家計・企業の負債合計の国内総生産(GDP)に対する比率が10年前の1.3倍から2倍強に膨張。この借り入れは米MMF(マネー・マーケット・ファンド)など海外勢の資金が英銀などを経由する形で賄われてきた。アイスランドほど極端ではないが、借り入れ依存度の高さは主要国では群を抜く。海外からの資金フローの変調はこうした経済構造を揺るがしかねない。
 海外勢の英銀向け融資は昨年8-11月に約2割減り、資金を調達できなくなった英銀は融資を抑制。大幅な金融緩和にもかかわらず、家計や企業の借り入れ条件は厳しくなっており、昨年10-12月期の実質経済成長率はマイナス1.5%と1980年以来の大幅な落ち込みを示した。
 80年代のサッチャー政権時代に門戸開放を打ち出し、国際金融センターとして復活したロンドンのシティー。最近は米投資銀行などのリストラの話題でもちきりだ。関連サービスも含めると金融部門は英国の雇用の約2割を占める。独スポーツ用品アディダス、日産自動車など外国系の製造業でも英国拠点の縮小・撤退の動きが広がる。
 「北海油田と同じように金融センターも衰退し、英国は売り物がなくなる」。ヘッジファンド運用で著名なジム・ロジャーズ氏は英紙フィナンシャル・タイムズに対し、英ポンド安を予測。英ポンドは先週、対ドルで23年ぶりの安値を付け、財政負担懸念から英国債は急落した。
 「現在の危機は金融グローバル化が本格化してから10年以上にわたって蓄積された信用バブルの崩壊で根が深い」と国際決済銀行(BIS)の元主任エコノミストのウィリアム・ホワイト氏は指摘する。
 90年代初めの金融危機でスウェーデンは銀行の全面国有化まで踏み込んだ。英政府は19日、銀行の損失を肩代わりする第2弾の危機対策を発表したが、今のところ全面国有化には距離を置いている。
 「世界経済を襲うハリケーンが通り過ぎれば英国はより優位に立てる」。ブラウン首相は強気の姿勢を崩さない。問題は、長い時間をかけて肥大化した金融市場から不良債権をどう切り取り、家計などの負債を身の丈に合う水準にどう調整するか。トップ主導の政策の機動力を強みとする英国だが、金融グローバル化の落とし穴から脱出する道筋はまだ見えていない。
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