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米公的資金注入、まず大手9行へ 年内に全体で25兆円

 ブッシュ米大統領は14日、金融機関への資本注入を柱とする総合的な金融安定化策を発表した。金融安定化法に基づく最大7000億ドル(約70兆円)の公的資金のうち2500億ドル(約25兆円)を資本注入に使う方針で、JPモルガン・チェースなど大手9行に1250億ドルを先行注入する。銀行間取引への保証や預金保護の拡大など、欧州並みの幅広い安全網も設ける。欧米主要国がグローバルな金融危機打開へ足並みをそろえた。
 ブッシュ大統領は14日朝、「今回の措置により企業や個人が融資を受けやすくなる」と強調。政府介入の強化は、危機を克服し実体経済の底割れを防ぐための「一時的措置」と説明した。欧州も約37兆円の公的資金注入枠を設けるほか、日本も公的資金注入制度を検討しており、日米欧の制度が出そろう。
米金融危機対策の仕組み 資本注入に活用する2500億ドルの公的資金は全米の銀行の自己資本の約2割に相当する。政府は株主総会での議決権がない優先株を年内に購入。経営への介入を抑えながら金融機関の自己資本増強を支援し、企業や個人への貸し出しを促す。資本注入を受ける銀行は経営者の報酬を制限する条件が付く。
 13日に金融界トップと会談したポールソン財務長官は同日の会見で「大手9行が今回のプログラムに参加することに合意した」と明らかにした。注入対象は流動的だが、米メディアによると、JPモルガン、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ステート・ストリート、メリルリンチの9行になる見通し。
 米政府は金融システムの根幹を担う大手にまず資本を注入。中小銀行に順次拡大する構え。投入する公的資金は新たに国債を発行して調達する。
 2500億ドルという規模は、金融安定化法で定めた最大7000億ドルの公的資金枠のうち、財務長官への即時拠出を認めた金額の上限。当初使える公的資金枠をすべて振り向けたことで、金融安定化策の軸足は不良資産の買い取りから資本注入に移った。
 資本注入は11月14日までに申請し、選ばれた金融機関が対象。一行当たりの注入額はリスク資産の1%以上とし、同資産の3%か250億ドル以内とする。財務省は年内に払い込みを終える。
 財務省は議決権のない優先株を買い取るほか、普通株のワラント(株式取得権)も持ち、経営に関与する余地を残す。優先株の配当利回りは当初5年が年5%、6年目以降は年9%。ポールソン米財務長官は「納税者は合理的な利回りを得られる」と理解を求めた。
 資本注入は銀行側からの申請を前提としているが、ポールソン長官は13日、大手銀行首脳を財務省に招き、9行から承諾を取り付けた。事実上の強制注入といえる。
 日本が1999年3月、大手銀行15行に総額7兆5000億円の公的資金を注入した時の枠組みと似ているが、事前に統一基準で銀行の資産内容を検査し、要注入額を内々に算定した日本のケースと違って、資本注入の総枠や銀行ごとの注入額の根拠は不透明だ。
 大手金融機関への注入規模は株主資本の合計の約2割に当たる。「(株式や銀行間取引など)市場の反応を見る限り、とりあえずは有効な対策とみられているようだ」(トムソン・ロイターのジェフ・ホール米国チーフエコノミスト)との声もあるが、銀行の損失規模が固まっていないだけに、資本不足の懸念がくすぶり続ける可能性がある。
 資本注入を受ける銀行には最高経営責任者(CEO)以下、地位の高い5人の役員に報酬制限を課す。財務省が優先株を保有し続ける間、高額退職金(ゴールデンパラシュート)の支払いを禁止。賞与や成功報酬の返還を求める。財務省は「不良資産買い取りの場合より、厳しい報酬制限」としている。
 一方、米連邦預金保険公社(FDIC)は、銀行間取引などの焦げ付きを保証する新たな制度を導入する。
 FDICが銀行などの新規債務を保証する制度の創設は、信用不安を背景に銀行間の資金取引が滞っている事態に対応した措置だ。ユーロ圏15カ国が銀行間取引への政府保証で合意したのを受け、歩調を合わせた。
 米国が銀行の債務の返済保証で出遅れれば、資金が欧州市場に流れ、米国市場での銀行などの資金繰りが一段と苦しくなる可能性があった。
 2009年6月末までに生じた新規債務が対象で、銀行間での短期の資金調達を含む。保証期間は最長3年で、30日を超える場合は銀行側は債務の0.75%を手数料として財務省に支払う。この制度は金融機関同士の疑心暗鬼を和らげるのに役立つとみられる。
 預金者保護では09年末までの時限措置として、無利子の決済性預金(当座預金など)についてFDICによる保護上限を撤廃する。中小企業や個人事業主の不安を抑え、金融機関からの預金流出を防ぐのが狙いだ。
 日本でも05年4月のペイオフ(預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁に合わせ、利息がつかず、いつでも引き出し可能な預金については「決済用預金」として全額保護を続ける仕組みを設けた。
 ブッシュ米大統領は14日の声明で「中小企業を支え、金融安定につながる」と狙いを説明した。
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