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円高の背景にキャリー取引の巻き戻し、株安継続で一段の円高進展も

 [東京 28日 ロイター] ドル/円で円高が進んでいる。背景には、低金利の円を調達して高金利通貨建て資産で運用するキャリートレードの一部解消があると外為市場関係者の見方はほぼ一致しているが、円高のきっかけとなった世界的な株安傾向に歯止めがかからない場合、円キャリートレードがさらに解消される形で、一段の円高進展があるのではないかとの観測が浮上している。
 <1日で3円超の円高、キャリー取引の調整はごく一部>
 27日の取引でドル/円は、日本時間27日早朝の高値120.75円から約2カ月ぶりの円高水準となる117.50円まで、1日で3円を超える円高が進んだ。中国株の急落で「リスク回避の動きが一気に強まった」(都銀の外為関係者)ことが、直接的な引き金になったとされるが、それ以外にも、27日発表の1月米耐久財受注の中で、設備投資動向の参考とされる非国防資本財受注が過去最大の減少率を記録。米景気への不透明感が強まったことや、アフガニスタンで27日、チェイニー米副大統領が前日に宿泊した米軍基地付近で自爆攻撃が発生するなど、イラン問題を初めとする地政学的リスクの高まりなど、多くの側面が指摘されている。
 ただ、今回の急速な円高で、キャリートレードに傾斜していた参加者のポジション調整が大きく進んだとの見方はまだ少ない。「巨額の資金を運用する機関投資家は、以前からキャリー取引のポジションを作っているため、この程度の値動きなら損失は大きくない。今回、調整に動かざるを得なかったのは、ごく最近になってからキャリーポジションを作った短期筋が中心」(外資系金融機関関係者)との分析が市場に出ている。
 28日にかけて外為市場では、円やスイスフランなど低金利通貨に買い戻しが強まると同時に、運用先とされる新興国株式など高金利通貨の金融資産が売り込まれ、キャリートレードの巻き戻しと見られる動きが目立った。
 しかし参加者の間では、高水準に膨らんだキャリー取引の解消が本格化すれば「3円程度の円高で収まる訳がない」(外銀のシニア外為ディーラー)との声が大勢だ。
 この日の東京市場では、輸入企業などの円売りにでドル安/円高が一服したが「キャリーの巻き戻しが本格化すれば、国内勢のドル買い/円売りは、円買い戻し相場に流動性を供給する程度の存在にしか過ぎない。規模が違いすぎる」(外銀の金融市場担当責任者)との見方もある。

 <米金融政策への波及を懸念、前FRB議長発言も不安心理に拍車>
 市場参加者の間で焦点となっているのは、今回の値動きが米金融政策を含む世界景気そのものに与える影響だ。28日までの値動き程度にとどまれば「米国が利下げに追い込まれるようなところまでは波及せず、いわゆるミニバブルが弾ける程度」(香港上海銀行・為替資金本部外国為替営業部長の花生浩介氏)に限られるとの見方が多い。
 だが、ソフトランディング期待の強まっていた米国では、経済指標に事前予想を下回るものが目立ち始めたうえ、サブプライム融資(信用力の低い個人向けの住宅ローン)の返済遅延も問題視されている。こうした不透明要因が存在感を増せば、リスク回避に向けて円キャリートレードには調整が入りやすく、円相場には買い戻しが強まりやすくなる。
 米連邦準備理事会(FRB)前議長のアラン・グリーンスパン氏は26日に「景気後退後の期間がこれほど長期化する場合、常に次の景気後退の要因が集積する。すでにこの兆候が見え始めている」としたうえで、年末までに景気後退局面に入ることが「あり得る」との見方を示した。「マエストロ」と呼ばれ、市場参加者の信認が厚いとされる前議長の発言は、市場の「不安心理に拍車をかけている」(都銀関係者)という。
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