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欧州銀行、相次ぎ経営不安 市場に依存の資金調達響く

ヒポ・レアルエステート 英独仏伊の4カ国首脳は週末に緊急会合を開き「あらゆる措置を講じる」と表明したが、市場は公的資金投入の具体策がないことを見透かし、動揺は収まらない。独不動産金融ヒポ・レアルエステートへの支援拡大、預金の全額保護など各国政府は危機封じ込めを急いでいるが、危機拡大の背景には欧州金融界固有の構造問題があり、対策には限界も見える。
 欧州の銀行で危機が広がるのは市場に資金調達を頼る構造が一因。エコノミスト誌によると預金1に対する融資の割合が欧州大陸の銀行は1.4と0.96の米銀を上回る。預金が手薄だと市場で資金調達できなくなったときに持ちこたえられない。
 9月末に欧州中央銀行(ECB)が実施したドル資金供給はドル資金に窮した欧州銀が殺到し、落札金利は11%と米フェデラルファンド(FF)金利の5倍強に達した。資金が余っても他行には融資せず低金利で中銀に預ける銀行が急増。銀行間市場は機能を停止し、不安は膨らみつつある。
 オランダ銀ABNアムロの買収資金を調達する負担を抱えたフォルティスのように、負債を膨らませた銀行ほど市場退出を迫られる。米国ではリーマン・ブラザーズなどが破綻したが、米証券会社と同じアキレスけんを欧州では銀行が抱える格好だ。
 そもそも欧州の銀行は、サブプライム問題で大きな影響を受けた証券化商品の保有額が多い。今回の信用収縮の局面で欧州銀が計上した資産担保証券などの損失額は1800億ドル(約19兆円)強とすでに米銀の1500億ドルを上回ったとの推計もある。ドイツでは2000強の中小金融機関がひしめき、運用難から市場で米銀からドル資金を調達し米証券化商品の運用を拡大してきた。
 「米国のような銀行破綻は起こさない」。欧州各国の首脳はこう強調する。直接金融の発達した米国と比べ、企業の銀行借り入れが多い欧州では経済活動に果たす銀行の役割が大きい。銀行が破綻すれば国民の不安心理が募り、連鎖破綻を招く恐れもある。
 だが、一つの危機が表面化するたびに関係者が徹夜で協議し、市場が開く前に緊急対策を発表する綱渡りの対症療法は事態の抜本解決にはならない。モグラたたきのように自国の庭先だけを掃き清める対応は周辺国に予想外の影響も及ぼす。
 「ばらばらではなく欧州全体で公的資金の注入に取り組むべきだ」。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のウィレム・ビューター教授らは各国首脳に公開書簡でこう提言する。「欧州全体が結束して対応を」。パリでサルコジ仏大統領と会談したストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事は団結を呼び掛けた。しかし「連邦予算を持たない欧州の政治構造に米国型基金は適合しない」(トリシェECB総裁)とされ、実現は難しいとの見方が支配的だ。
 6日、ECBは市場での臨時資金供給の対象行を1700行へと一気に13倍に拡大した。英中銀も市場への資金供給の基準を緩め供給額を増額した。議会承認や国家間の政治調整を必要としない中央銀行が「唯一の貸し手」となって市場を維持する非常事態。「時間稼ぎ作戦」で堤防決壊を防いでいる間に、欧州各国は一致して抜本的対応策を打ち出せるかどうかが金融不安沈静化のカギを握る。
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