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なぜ米金融安定化法の評価は低いのか

 米金融危機封じへ公的資金を投入する米金融安定化法が3日成立した。ところが週明けの金融資本市場は株が売られ、銀行同士で資金を融通し合う取引の金利は高止まりしている。なぜ市場に評価されないのか。
 今回の公的資金は、金融機関が抱える不良資産を買い取るために使う。住宅ローンを借りている個人がおカネを返せなくなったり、住宅ローンを小口に証券化して投資家向けに売っている金融商品の価値が大幅に下がったりすると、これらを持つ金融機関は不良資産として位置付ける。
 不良資産はそのまま持っていれば、さらに価値が下がる可能性があり、金融機関は売却して自分の資産から切り離す必要がある。市場で買い手が見つからないなら、米政府が公的資金を使って買い取ってあげるというのが今回の特徴だ。
 ただ、米政府は損が膨らまないよう安い価格で売る金融機関から順に買い取る仕組みにした。裏返せば金融機関はある程度の損を覚悟で売る必要がある。健全な金融機関なら多少の損を覚悟で売れるが、米欧の金融機関の体力は衰えている。損失が膨らめば、財務の健全性を示す指標である自己資本が大きく目減りすることになり、市場から狙い撃ちされかねない。
 巨額損失を見込むなら資本増強とセットで進めるべきだが、こうした金融機関におカネを出す投資家は少ない。「それなら公的資金で」と言っても、米金融安定化法は公的資金による金融機関の自己資本拡充策を明記していない。市場関係者らが有効性に疑問を持つのは主にこの点だ。
 今回の枠組みは「公的資金を使うので厳しくチェックする必要がある」として、それを使う金融機関の経営者の報酬カットなどの条件も付いた。報酬をカットされてまでこの仕組みを使おうとするトップは少ない、との見方も根強い。
 結局、市場関係者の間では「今回の金融危機は金融機関への公的資金による資本注入までいかないと収まらない」との声が多いようだ。バブル崩壊後の不良債権問題に苦しんだ日本では、1999年に大手銀行に対して一斉に公的資金を使って資本注入した。
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