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アーバンコーポレイション破綻の裏側(上) 消えたメリルのTOB

アーバン 本社オフィス 民事再生法の適用を申請し上場廃止が決まったアーバンコーポレイションが12日、東京証券取引所第一部の株式最終売買日を迎えた。不動産市況の悪化と信用収縮が招いた今年最大の倒産劇の裏では、仏大手金融機関BNPパリバとの間で実施した資金調達の妥当性という問題が浮上し、情報開示のあり方などの大きな課題を投げかけた。
 6月末、期限を迎える短期借入金の借り換えを複数の金融機関が拒否した。同月末は法人税の支払期限でもある。アーバンコーポが2008年3月期に最高益を記録したため納税額は130億円に達していた。だが、納税に充てるための新規融資に応じてくれる銀行も見つからない。そこでアーバンコーポが頼ったのが、米大手投資銀行のメリルリンチだった。
 メリルは外資でも指折りの不動産投資家。最近は日本を含めたアジアで運用する3000億円規模のファンドを組成しており、資金も潤沢だ。アーバンコーポは6月、簿価ベースで約1000億円、計18件の保有不動産をメリルに売却して総額800億円を調達。6月末の資金繰りのメドをつけた。
 そしてメリルはさらに踏み込む。「新興デベロッパーの中でも不動産の開発力は群を抜いて高い」とアーバンコーポの「実力」を評価。メリルはTOB(株式公開買い付け)による全株取得を会社側に提案した。
 「(反社会的勢力との関係を取りざたする)風評の被害から逃れるためには株式を非公開化するしかない」と考えるアーバンコーポの経営陣。メリルの提案は渡りに船だった。両社は8月中旬のTOB開始を念頭に交渉を開始。メリルがスポンサーになれば金融機関の融資姿勢も一変し、8月の資金繰りも乗り切れるはずだった。
 だが、合意直前の8月初旬、交渉は決裂した。
 アーバンコーポは7月11日、別の資金調達としてパリバを割当先に300億円の新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行。その際に株価次第で実際の手取り額が減少する可能性のある「スワップ契約」を交わしていた。資産査定の過程でこの「密約」を発見したメリルは「契約を開示しないまま買収すれば、大きな法的リスクを抱えてしまう」と判断した。
 複数の関係者によると、メリルは「スワップ契約の存在をすぐに市場に開示し、一定期間を経てからでないとTOBは実施できない」と通告。「今さら開示すれば株価が暴落し、TOB前に破綻してしまう」と契約開示に難色を示した会社側と折り合わなかった。
 破綻の直接の引き金となったパリバとのスワップ契約。法的な問題はないのか。今のところ、証券取引等監視委員会はアーバンコーポやパリバに対して、本格調査や検査に乗り出してない。ある幹部は「重大な関心は持っている」として時間をかけて調べていく考えを示した。
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