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「パリバ・ショック」から1年 サブプライム収束見えず、米金融の危機続く

 仏銀最大手BNPパリバが昨年8月9日に傘下ファンドを凍結した「パリバ・ショック」をきっかけに、米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が世界に広がってから1年。米欧の大手金融機関は多額の損失を計上、金融当局の矢継ぎ早の対応も、資源高からインフレを招くなど影響は世界経済全体に波及した。サブプライム問題の収束にはなお時間がかかりそうな状況が続いている。
 ショックの震源地となったBNPパリバの6日発表した4-6月期決算は、純利益が前年同期比34%減の15億500万ユーロ(約2500億円)だった。サブプライム問題に絡む有価証券評価損などリスク関連費用を前年同期の2.6倍にあたる6億6000万ユーロ計上した。米国のモノライン(金融保証会社)の信用力低下による評価損(5億4000万ユーロ)が中心。ほかに米国の銀行子会社が貸出債権の評価損や引当金を1億2000万ユーロ計上した。
金融機関サブプライム関連損失 今年4-6月期(一部は3-5月期)決算で米銀最大手シティグループなど米大手銀行・証券9社が計上したサブプライムローンに絡む損失は合計で約500億ドル(約5兆3000億円)にのぼった。サブプライム問題はいまだ収束する気配が薄く、米金融機関の業績・財務をむしばみ続けている。
 特に打撃の大きい証券大手メリルリンチは4-6月期決算の発表後に最大85億ドル(約9000億円)の増資を実施した。サブプライムローンが組み込まれ、値下がりの激しい債務担保証券(CDO)の損失処分に踏み切るには、資本増強が避けて通れなかった。
 CDOの売却価格は当初価格のわずか2割。しかも買い手となった米投資ファンド、ローンスターに対して、メリル自身がCDO購入代金の大部分を用意するという無理な条件をのんでようやく売却契約の実現にこぎ着けたという。
 メリルがCDOを極めて低い価格で外部に売却したことで、他の金融機関も今後、保有するCDOの評価額をメリルの売却価格と同じ水準まで引き下げなければならなくなる可能性がある。その場合、「シティグループはCDO関連で約80億ドルの評価損を追加で計上する可能性がある」(ドイツ銀行)といい、業界全体で損失が再拡大する恐れもある。
 サブプライム問題が米景気全体を冷え込ませるなか、金融業界の不安要因はクレジットカードなどを含む一般の貸出債権の劣化にまで広がり始めている。こうした痛手を特に被っているのが小規模の金融機関で、インディマック・バンコープなど米地銀の破綻は今年に入って8件にのぼる。
 経営が悪化している米住宅公社2社は支援法案が成立し、公的資金による融資や資本増強が可能になったが先行きは依然として不透明だ。
 連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は社債を約1兆6000億ドル発行しているうえ、保有・保証している住宅ローン関連資産も約5兆2000億ドルにのぼる。両公社がかかえる「負債」は、米国債の市場での発行残高(約4兆7000億ドル)をも上回る規模で、一段の業績悪化が進んだ場合は米政府にとっても救済は容易ではない。
 サブプライム問題がここまで長引いているのは、元凶である住宅市場の低迷に歯止めがかからないためだ。
 米住宅価格の主要指標である「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)ケース・シラー住宅価格指数」は今年5月までにピークだった2006年半ばに比べて約2割低下。ローンの焦げ付きで差し押さえられた住宅が市場に放出され、住宅価格を一段と弱含ませる悪循環が続いており、「米住宅市場は底が見えない」(国際通貨基金=IMF)との悲観論が払拭できない。
 仮に住宅不況の深刻化で米景気がスパイラル的に悪化するような事態に陥れば、「金融システムの破綻を防ぐために、米政府は公的関与を一段と強めるしかなくなる」(大手投資ファンド幹部)。だが、その場合も財政負担増大によりドル安などの副作用が出るリスクが残る。本格化から1年が経過したサブプライム問題だが、解決への道筋は依然として見えない。
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