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米住宅公社危機の深層 公社債、海外に1.5兆ドル

 「米住宅公社二社が破綻することはありえない」。台湾の金融庁に相当する金融監督管理委員会が15日に開いた緊急記者会見。李紀珠・副主任委員は保険会社や銀行が保有する両公社の債券は6180億台湾ドル(約2兆2000億円)と公表したうえで「損失は限定的」と市場参加者に冷静な対応を呼びかけた。
 この日の台湾主要株価指数は急落し1年9カ月ぶりに7000の節目を割り込んでいた。同じ日、シンガポール大手銀オーバーシー・チャイニーズ銀行も両公社への投資は「微々たるもの」との声明を発表。韓国金融当局も保有額に関する調査結果を明らかにした。
 米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が発行する債券についてアジアの当局や有力銀行が相次ぎ保有状況の開示に乗り出したのは、金融システム不安が飛び火することへの危機感からだ。「経営不安で債券が値下がりすれば金融機関に巨額損失が発生する」という市場の疑心暗鬼をぬぐい去るには実態を“自己申告”する必要があった。
米政府機関債 両公社が発行・保証する債券や住宅ローン担保証券(RMBS)の総額は5兆ドル(約540兆円)。ポールソン財務長官は22日に講演し、このうち直近で約1兆5000億ドル超が海外に散らばると明らかにした。相当部分がアジアにあり、特に中国と日本が多い。
 16日の香港経済紙は「中国の主要6行の保有額は3000億元(約4兆7000億円)」との業界推計を報道。日本の金融機関の保有額は15兆円超。今のところ投資方針を見直す金融機関はないが、大手行幹部は「仮に米住宅公社債が暴落すれば我々が対応できる範囲を超える」と声をひそめる。
 米国債に準じる信用力を誇る両公社の債券は、民間だけでなく世界の中央銀行や政府系ファンドも購入する中核的な資産だ。規模はサブプライムローン(残高約1兆ドル)を大きく上回り、価格下落時に損失を被る投資家の範囲も広い。
 リスクは債券を直接保有する金融機関にとどまらない。両公社の債券は証券会社などが資金調達に利用する「レポ取引の担保にも多用されている」(大和証券SMBCの中川隆クレジットアナリスト)ため、市場参加者の日々の資金繰りにまで影響する可能性がある。
 3月の米ベアー・スターンズ実質破綻の遠因にもなった投資会社カーライル・キャピタルの債務不履行。同社が担保として差し入れた公社の債券の価値が目減りし、追加担保の提供を求められたことがきっかけだ。借り入れで資金を膨らませ、様々な商品に投資するファンドなどにとって公社の信用は絶対条件。その信用が損なわれれば、投資家の破綻や急速な取引縮小で、債券だけではなく様々な市場に負の影響が及ぶ恐れがある。
 米議会は週内にも支援策を盛り込んだ法案を通過させる。これを見越して足元の市場はひとまず落ち着きを取り戻した。有力格付け会社は両公社の長期債務への最上級格付けを維持、債券価格下落にも歯止めがかかった。だが危機の根源である米住宅価格には底入れの兆しが見られない。両公社の経営問題が市場に第二、第三の衝撃波をもたらす懸念はくすぶる。
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