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米住宅公社危機の深層 「暗黙の政府保証」、政官一体で膨張黙認

ファニーメイ本社 ロイター撮影 1938年に政府系機関として設立され、68年に民営化されたファニーメイ。70年に同社を補完するためにできたフレディマック。ともに民間上場企業だが、政府の監督下にある。発行する債券には「暗黙の政府保証」があると受け止められ、最上級の格付けを維持してきた。
 「半官半民」のあいまいな位置づけのまま、住宅ローン債権の買い取りや保証を手掛ける住宅金融の担い手として規模を拡大。両社が保証・保有する住宅ローン担保関連資産は5兆2000億ドル(約556兆円)に膨らんだ。うち1兆5000億ドル(約160兆円)超を海外の中央銀行や金融機関が保有する。住宅の値下がりで保有資産が目減りし、経営が悪化する構図は民間金融機関と同じだ。
 信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻化した今春までは、政府・議会が公社の買い取り資産枠の拡大を検討するなど、政官一体で膨張を黙認してきた。2003年から04年にかけては不正会計処理が発覚し、ずさんな経理も露呈した。
 警鐘は鳴っていた。グリーンスパン前米連邦準備理事会(FRB)議長は03年から両社が急膨張するリスクを指摘していたが、ブッシュ大統領は取り合わなかった。議会で資産圧縮を促しても「2社は腕利きのロビイストを雇い、政界の支持者を増やした」(グリーンスパン氏)。
 経営不安の高まりを受け、両社への緊急融資や公的資金による資本注入に道を開く経営支援策の法制化作業は大詰めを迎えている。新法案には米連邦住宅公社監督局(OFHEO)に代わる監督機関の新設が盛り込まれる見通しだ。名前は連邦住宅金融庁(FHFA)。住宅都市開発省(HUD)とOFHEOを統合する案が有力だが、「アルファベットが変わっただけで、中身は同じ」と冷ややかな声も目立つ。
 より大きな問題は2社の膨張を認める空気がなお根強いことだ。法案にはサブプライムローンの焦げ付きによる差し押さえを避けるため、一部の返済に困っている借り手に2社による保証を広げる内容が入る見通し。
 ルーズベルト大統領が掲げたニューディール政策の一環でファニーメイが発足して以降、住宅市場が冷え込むたびに政府と議会は公社の機能や資金枠を拡大するお墨付きを与えてきた。バブル崩壊後の景気対策で脚光を浴びた日本の財政投融資の積み増しとそっくりの構図が長い間続いた。
 今はポールソン財務長官が「金融の安定化が最優先」と繰り返し、資本注入の枠組み整備に突進する。ただ現状の形態を残すことが大前提。市場関係者の不安が高まる中、2社の統合や完全な民営化、業務の縮小など経営の抜本改革を巡る論議は影を潜めたままだ。
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