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サブプライムと国内金融、米「モノライン」など動向がカギ

 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に揺れた二〇〇七年の日本の金融。リスクの波及経路が完全に分からないまま、〇八年が来る。
 UBS証券クレジット調査部の大槻奈那ディレクターに問い合わせが増えている。武富士は非連結の特別目的会社SPC)を使って営業貸付債権を証券化し、〇七年三月期末で二千八百億円強の長期資金を調達。ここに証券化商品など金融商品の保証を専門的に手掛ける「モノライン」という米国の会社の保証をつけ、SPCの債券の信用力を上げている。
 サブプライム問題による市場の混乱で損失を被ったモノラインの業績は悪化、一部ではトリプルAの格付けが下がり始めた。SPCを保証するモノラインの格付けも下がれば、金利を高くしないと債券が売りにくくなる。武富士の資金調達コストも上がりかねない。
 武富士は保証を受けているモノラインの名前を伏せているが、「調達コストの上昇は懸念していない」(広報担当者)という。ただしアナリストが問い合わせると、「『手元流動性の十分な確保に努めている』といった答えが返ってきた」(大槻氏)。問題が予想以上に深刻になった場合に備え始めたようだ。
 米国の地方債や証券化商品を中心に、MBIAやAmbac(アムバック)などモノライン大手四社は約二兆ドルの保証をしている。日本を含む米国外の保証も一割強を占め、「日本企業のSPCに保証を与えている例は武富士以外にもある」(証券化業務関係者)
 モノラインは日本へのサブプライム問題の波及を考えるうえで重要な存在だ。十一月下旬に損害保険ジャパンの株が急落した。モノラインが抱えた信用リスクを移転させるための再保険を、六十四億円引き受けていたことなどが理由だった。
 米欧の金融機関を中心に、サブプライム関連の公表損失はすでに邦貨換算で約十兆円に達したもよう。今後、どんな経路でどこに影響が及ぶか、見きわめきれない。モノライン以外にも、資産担保コマーシャルペーパーABCP)を発行し証券化商品に投資する基金(SIV)に対する市場の警戒心は大きい。SIVを運営していた欧州大手銀の株が突然売られたことがある。
 今年のピークには全体で三千億ドル超あったとされるLBO(借入金で資金量を増やした買収)向けの融資。市場の混乱でCLO(融資担保証券)という証券化商品の発行が難しくなったため、CLOを使って融資を転売できない銀行は新たなリスクをとりにくくなった。既存の融資を無理に転売したと仮定した場合の価格を当てはめると、評価損が膨らむ恐れもある。「日本でも大手銀行グループの一角が海外で転売できない融資を抱えている」(大手米銀)との指摘がある。
 十二月半ばに米欧の中央銀行が大量の資金供給に踏み切った際、日銀は協調行動に加わらなかった。新興国の政府系ファンドから資本を仰ぐ邦銀も今のところないため、「日本のサブプライム問題は米欧ほど深刻ではない」との楽観論にも傾きがちだ。とはいえ、米国発のリスクの波及経路がすべて見えているわけではない。
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