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浮上する米国リスク サブプライム、5000億ドル損失説の衝撃

 「米国リスク」に金融市場が揺れている。住宅市場の低迷が続き、信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)を裏付けとする証券化商品の価格は再び下落ピッチを速めている。金融不安の本格化を防ぐために金融当局は追加利下げを迫られそうだが、インフレやドル安を助長し国際投資マネーのドル離れを引き起こしかねない。サブプライム問題は多額の財政赤字を抱える米国にとっての「最悪シナリオ」である長期金利の上昇につながる可能性が意識され始めている。
 「値段はいくらでもいいからとにかく売ってくれ」――。ニューヨークの証券化商品取引でこんな注文が増えている。持ち込まれるのはサブプライムローンを原資産とする住宅ローン担保証券(RMBS)やRMBSをリパッケージした債務担保証券(CDO)。比較的低格付けだが、買い手を見つけるのは至難の業だ。「額面の一割未満でも売れないことが珍しくない」(投資銀行)
 売りが売りを呼ぶ悪循環は、米調査会社マークイットのサブプライム関連の証券化商品の価格指数「ABX」が浮き彫りにする。トリプルB格以下が対象の「BBBマイナス 07―1」の直近値は一七・六八。算出を始めた一月以降だけで八割強も値下がりした。
ABXトリプルA トリプルA格が対象の「AAA 07―1」は直近で七五・六一にとどまるものの、ここ一カ月の下落幅は約二割にのぼる。住宅市場の悪化には歯止めがかからず、サブプライムローンの焦げ付きがさらに増加するのはほぼ確実。格付け会社の「格下げ攻勢」も勢いが途切れない。サブプライム危機の根深さは大方の予想を上回り、サブプライム関連証券であれば高格付けでも損失覚悟の売りが止まらなくなっているのが最近の変化だ。
 「(サブプライム問題を受けた)信用危機は最終的に二千五百億―五千億ドルの損失につながる可能性がある」。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのチーフ・クレジット・ストラテジスト、ボブ・ジャンジュア氏が七日付で配布した調査リポート。世界の市場関係者が奪い合うようにして読んでいる。
 同リポートは「レベル3」と呼ばれる米会計基準の例外処理に着目。サブプライムローンを裏付けにしたCDOなどの金融商品は市場取引が少ないことを理由に、市場価格による時価評価を避け、会社側の推定値で評価額を決めることが許される。シティグループやモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスなどでは「レベル3」扱いの資産の残高が株主資本を超える規模だという。
 今月半ばに導入予定の新しい会計基準では、例外処理が難しくなる。サブプライム関連商品が急落する最悪のタイミングで、膨大な「レベル3」資産が時価評価の荒波にさらされることになるため、損失の急拡大が避けられないとの見立てだ。

 悲観シナリオは市場で急速に支持を広げている。破綻リスクを売買するクレジット・デリバティブが先週、シティを対象としたものが五年ぶり、モルガン・スタンレーやメリルリンチ、ワコビアでも約六年ぶりの水準、もしくはその近辺まで売られたのは象徴的だ。
 連日のように十億ドル規模の損失が表面化する米金融機関。会計基準の変更以外にも、数千億ドル規模の証券化商品を抱える「SIV(ストラクチャード・インベストメント・ビークル)」など火ダネは尽きない。金融機関が疲弊し、経済の血流である資金の流れが目詰まりを起こす――。こんな金融発の景気後退リスクも現実味を帯びる。
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