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輝き増す金鉱山株 信用収縮や再編観測追い風

 世界の株式市場で金鉱山株がにぎわっている。トロントやニューヨーク証券取引所に上場するバリック株は連日で年初来高値を更新。昨年末に比べ三割強も上昇した。二位の米ニューモント・マイニングも今年二月につけた高値(四八・三三ドル)目前に迫っている。米国のサブプライムローン問題を発端とした金投資ブームが、金鉱山を手掛ける会社の株に波及している。
 住宅融資の焦げ付き増大と金。無関係に見える二つの要素を結びつけるのは、信用リスクへの不安感だ。
 コマーシャルペーパーの借り換え不能や投資ファンドの解約凍結、というかたちで損失問題が一気に表面化し資本市場が緊迫した八月、機関投資家の資金はまず米国債に向かった。だが米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測の高まりやその後の大幅利下げで米ドルが下落ピッチを速めると、米国債などドル建て資産の目減りを嫌う投資マネーが金、原油など実物資産に傾斜を強めている。
NY金先物と金鉱山株 ドルより安心。誇張して言えば、金は今、安心感のある通貨の代役とみられている。しかもインフレに強い。二十一日のニューヨーク市場では金先物価格が一時、一トロイオンス七四七・一〇ドルと中心限月としては約二十八年ぶりの高値を更新した。とはいえ、金の延べ棒を大量に購入すれば保管コストがかさむ。金のETF市場もまだ成長過程だ。そこで年金基金や投資信託など大手投資家には、流動性がある金鉱山株の出番となる。
 金生産コストを下げる狙いで、近く大型再編が起こるという期待感も金鉱山株人気を盛り上げている。〇六年にカナダのライバル企業を買収し、世界一に躍り出たバリックがニューモントを買収するとのうわさが取りざたされている。カナダでは中堅鉱山会社が三社集まって大手の一角に食い込む構想が進行中。ただこのうち一社は買収提案を拒否。係争の末、買収防衛策は無効との行政判断が下り、買収側が買収対価の現金比率を引き上げる見返りに提案を受け入れるよう説得中だ。
 豪最大手のニュークレスト・マイニングの動きも市場の耳目を集めた。金価格の下落を想定して実施した金先物によるヘッジ売りの損失を処理するために十六億豪ドル(約千六百億円)分の増資を実施。バランスシートを立て直す。イアン・スミスCEOは電話会見で「損失処理するまで大型の企業買収は難しかった」と説明。今後は「いいご縁があれば真剣に検討したい」と回答し、株価が急騰した。
 バリックやニューモントはすでにヘッジの損失処理を終えている。原油同様、金鉱山も採掘コストの高騰や資源国による鉱山支配強化のリスクにさらされており、統合による拠点分散や収益力強化が共通の課題になっている。

 バーナンキFRB議長は二十日、米下院金融サービス委員会でサブプライム問題を発端とする金融不安や景気悪化を防ぐ狙いから、状況次第では追加利下げを検討する意向を示唆した。発言を受け、ニューヨーク市場では原油先物相場も最高値を更新した。
 金や原油価格の上昇は、投資家がインフレを強く懸念していることの表れだ。すでにガソリン代替燃料のエタノールの原料になるトウモロコシが高騰したのを震源に、他の主要穀物や食品価格が上昇。FRBはインフレを警戒し変動の激しいエネルギー、食品を含めた物価動向を注視すると表明したばかり。なのに今は、サブプライム問題による市場の混乱を沈静化するため緩和策に転換。市場へ潤沢に資金を供給し、結果として過剰流動性を生んでいる。
 「実物資産にとってはまさに上げ潮」。米先物取引会社アラロン・トレーディングのアナリスト、フィル・フリン氏は二十日のバーナンキ発言をこう評した。インフレ警戒を強める市場と、当面は景気後退対策を優先するFRBの溝は深い。ドルは対ユーロで最安値を更新し続けている。再利下げはドル建て資産離れによるドル急落を招きかねない。金鉱山株の動向は金融政策や米ドルの行方を占う物差しとしても目が離せない。
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