Home > 黒岩の眼 朝刊 > 「米利下げはポジティブサプライズも、ダマシ上げの可能性」

「米利下げはポジティブサプライズも、ダマシ上げの可能性」

 昨日の米国株式相場は急反発。ダウ工業株30種平均は335.97ドル高の13739.39ドル、ナスダック総合指数は70.00ポイント高の 2651.66ポイントとなった。米リーマンの四半期決算が市場予想を上回ったほか、米FOMCでFFレートの誘導目標を0.5%引き下げ4.75%にすると発表。予想以上の利下げ幅に市場は好感し、株価は一気に上昇幅を拡大した。また、シカゴ日経平均先物(CME)は16300円。大証終値(通常取引)と比べて520円高の水準で取引を終了している。従って本日の東京株式相場米国株式相場の上昇を好感して買い先行の展開を想定。大幅高からスタートするものと思われる。
 FOMCでの0.5%の利下げ幅は正直サプライズであった。市場の大方は0.25%の利下げを予想しており、不意を突かれたような感じとなった。米金融当局の並々ならぬ意欲が伝わっており、市場は素直に好感したようだ。しかし、今回の大幅利下げは「株価対策」の色合いが濃い。物価情勢を重視したものではなく、株価を上昇させるために緊急的な措置を講じたと考えられるのだ。その後の声明文ではインフレ重視のコメントも見られたが、今回の利下げは景気や株価を優先したもの。それだけサブプライムに絡む信用収縮問題が深刻であることを示しており、危機的な状況を回避するための「予防的措置」と解釈すべきであろう。
 FF金利先物相場は10月末のFOMCでの利下げを70%織り込む水準となっている。市場は早くも利下げを「催促」しており、FRBもその期待に応えてくれると確信している。しかし、今回0.5%の利下げを実施したことで、実質的に2枚のカードを切ったのと同じ。手持ちの切り札は着実に減少しており、政策の選択余地は狭まっている。また、利下げを実施することで、米国への資金流入は減少。対ユーロでドル相場は下落しており、ドル安と引き換えに株価が上昇した形となっている。身を削って態勢を維持したことになり、この不安的な状態をいつまで維持できるかは疑問である。
 本日の日経平均は米国株高を受けて、大幅高からスタートすることになりそうだ。窓を空けて上昇することが予想され、上値抵抗線である25日移動平均線を上回って推移するだろう。そこで焦点となるのが、「本日の寄り付きで空けた窓を大引けまで維持できるか」ということ。軸が傾いたことによる窓空けならば窓を埋めない可能性が高く、今後の大幅高が期待できるからだ。逆に軸が傾かない窓空けならば窓埋めする公算が大きく、今回の上昇は「ダマシ上げ」ということになる。下方の壁の種類(テクニカルの壁・ファンダメンタルズの壁)を見極める重要な局面でもあり、寄り付き後の株価動向には是非とも注目してみたい。現時点では「ダマシ」の可能性が高いと判断し、売りポジションは継続。やはり戻り売りの場面であると考えたい。
 米リーマンの決算発表が終了したことで、これから発表する他の証券会社の注目度は必然と落ちることになる。そして市場予想を上回る決算内容に安堵するようでは、投資家としての危機意識が足りない。ここは「見えないリスク」を考慮すべきであり、将来的に表面化するであろう損失を予期しなければならないのだ。昨日も指摘した通り、米証券会社には、サブプライムローンに絡むバランスシートに載らない債務が隠れている可能性がある。つまり、昨日のNYダウの急上昇も手離しに喜んではいられないということだ。それは本日の大引け時点で「窓理論」で買い転換したとしても、中長期的な流れに大きな変更はないと認識すべきなのだ。今後もシビアな眼で相場を眺めたいと考える。
  • はてなブックマーク
  • Twitter
  • Facebook

Trackback+Pingback: 0

TrackBack URL for this entry
http://nikkei225kuroiwa.blog.fc2.com/tb.php/1163-b315a204
Listed below are links to weblogs that reference
「米利下げはポジティブサプライズも、ダマシ上げの可能性」 from 株式市場と経済ニュース

Home > 黒岩の眼 朝刊 > 「米利下げはポジティブサプライズも、ダマシ上げの可能性」

リンク

管理者ページ

スポンサードリンク
証券口座開設
ブログランキング
  • にほんブログ村 株ブログ 株式投資情報
  • 人気ブログランキング
カウンター

この日記のはてなブックマーク数

↑ページの先頭へ