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米公定歩合貸し出しに需要 短期金融正常化、なお時間

ABCP金利と公定歩合貸出 傘下ファンドの資産を凍結したBNPパリバ・ショックで始まった金融波乱から一カ月余り。米株式相場はダウ工業株三十種平均が一万三〇〇〇ドル台を回復し、混乱は収まったかに見える。だが、銀行の短期金融に目を転じると、嵐が吹き荒れている。
 「借りたのは誰(どの銀行)だ」――。早くも“犯人”探しが始まった。米連邦準備理事会(FRB)が発表した十二日現在の公定歩合貸出残高が一週前の七倍、七十二億ドル弱(八千億円強)に跳ね上がったからだ。
 増え方が顕著なのは、金融機関の本拠が集中するニューヨーク連銀地区と、デトロイトなど自動車産業のおひざ元、クリーブランド連銀地区の二つ。ニューヨーク地区は六億ドル弱から四十九億ドル強に、クリーブランド地区はゼロから十六億ドル強に増えた。
 英国でも先週、住宅ローン事業で知名度の高いノーザン・ロックが英中銀、イングランド銀行に救済を求め、短期資金の緊急支援を受けた。
 銀行の資金繰りに支障が出ているのは、短期金融市場から閉め出された企業が銀行に駆け込んでいるからだ。
 米ゼネラル・モーターズ(GM)からサーベラス、シティグループ連合が買収した金融会社GMACが、シティから百四十四億ドルの融資を受けたことを明らかにしたと米メディアは伝えた。住宅金融最大手カントリーワイド・ファイナンシャルは十三日、八月に使い切った百十五億ドルの融資枠とは別に、百二十億ドルの枠を確保したと発表した。
 「信用不安は和らいできた」との見方もあるが、本当だろうか。
 米コマーシャル・ペーパー(CP)の残高は十二日までの一週間で八十億ドル減った。減少幅はピーク時(八月十五日までの一週間で九百十億ドル減)の十分の一に縮小したが、これは投資家の信認を失った企業の市場からの退場がひとまず、一巡した結果にすぎない。
 資産担保CP(ABCP)の翌日物金利は一時の六%台から五・五%台に下がったが、一カ月物、三カ月物は金利高止まりが続き、取引は事実上成立していない。「マネー・マーケット・ファンド(MMF)が市場に戻りつつある」(大手銀幹部)ようだが、投資家はオーバーナイトで様子を見つつ、いつでも引ける態勢だ。

 欧州中央銀行(ECB)が先週実施した七百五十億ユーロ(約十二兆円)の資金供給も、金額以上に期間を三カ月とした点に特徴がある。金融機関は信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を抱えた上に信用力の低い企業の駆け込み寺となりつつある。その重みから年越えの資金を自力で確保できない銀行が増えているのだ。
 借りれば資金繰り不安の烙印(らくいん)を押されるため、公定歩合制度はやせ我慢しても使わないというのが金融界の常識だ。FRBが「(公定歩合借り入れは)弱さではなく、強さの象徴となる」と促したとはいえ、実際に借りる銀行が出てきたのはよほどのこと。金融不安は尾を引きそうだ。
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